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技能実習の新制度、転職制限を緩和 政府が方針案提示

政府は5日、技能実習に代わる新制度の方針案を自民党の委員会に示した。現在は原則認めていない転職の要件を緩和する。本人の意向による転職を制限する期間を、業種ごとに就労1年から2年の間で設定できるようにする。関係閣僚会議の決定を経て、今国会への関連法案の提出をめざす。


転職制限を巡っては、政府と緩和への慎重論が根強い自民党の間で調整が難航した。人材流出を懸念する地方の事業者などへの配慮を追加し、党側が了承した。外国人材に「選ばれる国」へ制度が半歩前に進む。

新制度の「育成就労」は人材の育成と確保を両立させるのが目的だ。日本の技術力に裏打ちされた労働者を育てる機能を残しつつ、人権にも配慮しながら人材獲得につなげる。育成のために一定の転職制限は残す。

育成就労は3年間の就労を認める。その間により技能レベルの高い「特定技能1号」の水準に育てることをめざす。

その後の試験などを経て熟練労働者である「2号」になれば制限なく在留資格を更新でき、家族帯同も可能になる。条件を満たせば永住権も申請できるほか、高度専門職などに移行できる。

政府の有識者会議が2023年秋にまとめた報告書は、同一企業で1年超就労すれば転職を認めると盛り込んだ。自民党内からはこれに反対意見が上がり「少なくとも2年」は転職制限できるとする提言を12月に公表した。

本人の希望で転職できるようにすると、地方にとどまる人材がいなくなる恐れがあると一部議員は主張した。「1年では業種によって十分な育成ができない」という声もあった。

こうした党内の声を踏まえ、出入国在留管理庁は転職制限の期間を1年とすることを目標としつつ、当分の間は最長2年まで許容した。3年間は同一企業で就労することが望ましいとの見解を付け加えた。

転職時に求める語学能力のハードルも有識者会議の報告書より高めた。特定技能への移行に必要なレベルの日本語能力試験を業種ごとに新設する。入国してから学習を継続するよう促す。

転職の仲介から悪質なブローカーを排除する理由で、当分の間は民間事業者の関与を認めない。転職のあっせんなどは受け入れ窓口の「監理支援機関」やハローワークなどに限定する。

現行の技能実習制度は人材育成による国際貢献を目的としているため、本人が希望する転職は原則認めていない。雇用主から人権侵害などがあった場合に限られる。

外国人を単純労働力とみなし劣悪な環境で働かせる問題が相次いだ。日本語が十分に話せず現状を訴えられなかったり、チェック機能がはたらかないケースがあったりと失踪も多かった。入管庁によると、22年の技能実習生の失踪者数は9000人超だった。


外国人労働者の転職を認める海外の国や地域は少なくない。入管庁によると英国には制限がなく、米国は市民・移民局の許可を得れば可能だ。台湾やシンガポールは原則不可だが雇用主と本人などの合意があれば認められる。

日本の人手不足は深刻で世界の人材獲得競争は激しい。労働者の権利を保護する動きは国際的な潮流でもある。

政府に危機感はあるものの改革の度合いを緩めざるを得なかったのは、現状維持を求める圧力が想定以上に強い実情を映している。

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