
政府が、外国人労働者を中長期的に受け入れる特定技能制度の対象に、自動車運送、鉄道、林業、木材産業の4分野を追加する方向で検討していることが1月28日、関係者への取材で分かった。「即戦力人材」として最長5年滞在できる特定技能1号の対象分野が、現在の12分野から16分野になる。2019年の制度創設以来、追加は初めて。23年度内の決定を視野に関係省庁が協議する。
政府は昨年、労働力不足に対応するため、永住も可能な特定技能2号の対象分野を、1号にほぼそろえる形でそれまでの2分野から11分野に拡大した。この見直しに続く対象分野の追加で、外国人の受け入れ枠組みが大きく広がることになる。
関係者によると、自動車運送はバスやタクシー、トラックの運転手などを想定。今年4月から運転手の残業時間上限が規制されることで人手不足が深刻化し、輸送能力が下がり物流が停滞する「2024年問題」が懸念されており、解消につなげる狙いがある。
また、自動車運送業では、バスやタクシー、トラックの運転手を想定。鉄道では運転士や車掌、駅係員、車両製造など、林業では育林など、木材産業では木材加工などの業務に携わることを検討している。
このほか、既存分野の飲食料品製造にスーパーでの総菜調理、産業機械など製造に繊維や印刷などの業務を追加することも考えられている。
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